カリウムを下げる食べ物、食品について
腎臓病とカリウムの関係について
腎臓病の患者さんは、カリウムを含む野菜や果物の摂取を控えるように医師から指導を受けることがありますが、まず最初に腎臓病とカリウムの関係について以下の3つをご確認ください。
カリウム自体は腎臓を悪くしない
カリウムは体内の細胞機能や神経伝達に必要なミネラルです。健康な腎臓はカリウムを適切に排泄し、体内のバランスを維持します。健康な人々は一般的にカリウムを適切な量摂取しても問題ありません。
カリウムが少なくても体によくない
カリウムは心臓の健康にも重要であり、不足すると心臓のリズムが乱れる可能性があります。適切なカリウム摂取は健康維持に必要です。
参考
カリウムは体内で電解質バランスを調整し、神経や筋肉の正常な機能を維持します。心臓も筋肉の一種であり、正常なリズムを保つために電気信号が必要です。カリウムは心臓の電気信号の伝達に関与し、不足すると心臓のリズムが乱れる可能性があります。この乱れが心臓の動きに影響を与え、不整脈やリズム異常が発生する可能性があります。適切なカリウム摂取は心臓の正常な動作を支えるために重要です。
腎臓病でカリウム制限が必要なのはどんな人?
腎臓病の進行により、腎臓の濾過能力が低下するとカリウムの排泄が難しくなる場合があります。高カリウム血症(血中カリウム濃度の上昇)は心臓のリスクを増加させるため、腎臓病の患者さんでカリウム制限が必要となることがあります。医師は血液検査を通じてカリウムレベルをモニタリングし、必要に応じてカリウム制限のアドバイスを行います。
健康な人々はバランスの取れた食事を通じて適切なカリウムを摂取することが重要です。腎臓病の場合、医師の指導に従ってカリウム摂取を調整することで、心臓の健康を守りつつ病態を管理する必要があります。
腎臓病の方のカリウム摂取量について
腎機能の重症度(CKDステージ)によって推奨されるカリウムの摂取量は次の通りです。ただし、これらは一般的なガイドラインであり、個々の状態に合わせて医師の指導に従うことが重要です。
CKDステージ1-2
軽度の腎機能低下の場合、通常のカリウム摂取を維持することが推奨されます。一般的な健康的な食事を続けることが重要です。
CKDステージ3a-3b
中程度の腎機能低下の場合、高カリウム食品の過剰摂取を避けることが重要です。医師や栄養士の指導に従い、カリウムの制限(2000mg/日以下)が必要な場合があります。
CKDステージ4-5
重度の腎機能低下の場合、高カリウム血症のリスクが高まるため、厳格なカリウム制限(1500mg/日以下)が必要とされることがあります。医師と協力して、適切な食事プランを作成しましょう。
具体的なカリウムの推奨摂取量は、個人の状態によって異なります。また、カリウム制限を行う際には、食品のラベルを注意深く確認し、カリウム含有量を把握することも大切です。
カリウムの摂取を下げるための食べ物・食品の注意点
加工食品や加工肉
プロセスされた食品や加工肉は高カリウムの可能性があるため、摂取を控えることが良いでしょう。
バナナ
バナナは高カリウム食品の一つです。適度に摂ることが重要です。
乾果類
レーズンやプルーンなどの乾果類もカリウムを多く含んでいます。
オレンジジュース
オレンジジュースはカリウムを多く含むことがありますので、適量にとどめることが良いでしょう。
ジャガイモ
ジャガイモはカリウムを多く含む食品です。特に皮付きの場合、注意が必要です。
野菜
一部の野菜(スイスチャード、ほうれん草、かぼちゃなど)もカリウムを含むことがあります。適度に食べるよう心掛けましょう。
豆類
豆類にもカリウムが含まれています。摂取量を調整することが大切です。
ヨーグルト
ヨーグルトもカリウムを含むことがあります。選ぶ際にはカリウムの含有量を確認しましょう。
カリウムに関するよくあるQ&A
カリウムを下げる飲み物は?
カリウムを下げるためにおすすめの飲み物は、
- リンゴジュース
- クランベリージュース
- コーヒー ※過剰な摂取には注意が必要です。
- 紅茶 ※カフェインや飲用量には気を付けてください。
コーヒーやココアよりは紅茶の方がお勧めです。 - お茶なら玉露や抹茶は避け、麦茶や玄米茶にしてください。
カリウムを多く含む食品は何ですか?
カリウムが多く含まれる食べ物・食品ランキングとしては、
第1位: ずいき
第2位: こんぶ
第3位: わかめ
第4位: いわのり
第5位: パセリ
などです。
カリウムが少ない食べ物は何ですか?
カリウムが少ない食べ物は、うどん(ゆで)、そば(ゆで)、精白米、はるさめ、しらたき、はちみつ、プロセスチーズなどがあります。
カリウムが高いとどんな症状が出ますか?
カリウムが高いと、次のような症状が現れる可能性があります。
- 不整脈や心臓のリズム異常
- 筋肉の痙攣や弱さ
- 嘔吐や下痢
- 疲労感や倦怠感
- 手足のしびれや刺すような感覚
- 呼吸困難や胸の圧迫感
重篤な高カリウム血症は、多発性心室心拍や心室細動などの『突然死を引き起こす致死的不整脈』が発生する原因となることがあるため、これらの症状が現れた場合は早急に医師の診断と治療を受けることが重要です。